自分のような野鳥写真愛好家にはバンディングの必要性が良く分からない。 全国で450人程のバンダーが年間15万羽以上にバンディングをしているそうだが、その回収率の低さが異常。古い記録だが、回収されるのは年間1000羽程の全バンダー数の0.7%、ただその殆どが国内での回収、渡りの調査などで意味があると思われる外国での回収はわずか100羽未満、実に0.05%。
 こんな調査でも意味はあるのだろうが、鳥に対する負担の大きさに比べてその成果の少なさは驚くばかり。 最近の山階鳥研の研究結果をみても、国内での放鳥で目立った成果が出ているようには思えない。 単に足環をつけて放鳥しましたとの報告があるだけで、逆に外国で放鳥され国内で回収された個体に意味のある成果が出ているような。
 うがった見方をすると、最近は環境省に委託されたノルマを達成するためだけの数合わせてなっていて、予算を消化するお役所仕事に成り下がっているおそれも。
 アジアで一番の放鳥数を誇るより、経済成長著しい中国や東南アジア、ロシアでの保護政策に協力することに軸足を移したら如何なものかと思ってしまう。 もっとも、百年近く続く今の足環よりも、鳥の負担にならない優れた方法を開発すれば、世界中から尊敬されること間違いなしだが。